時計仕掛けのオレンジ




スタンリー・キューブリック監督   マルコム・マクドゥウェル 主演

ネタバレになるのでここからは反転してお読み下さい。読まない方は下へスクロ〜ル

アレックスは仲間といつもつるんで、麻薬暴力レイプと好き勝手に生きている欲望と本能のままに生きるベートーベンの信奉者でもある若者。

仲間内でも暴君な彼はある日その仲間の裏切りにより逮捕される。刑務所の中で初めは大人しくしていたが嫌気をさしたアレックスは最新精神治療とやらに志願する。

それを2週間程受けたら刑期は取り消し、はれて自由の身となるのだがその治療が暴力を振るおうとしたり性的行動に及ぼうとすると頭痛が起き吐き気を催すというもの。

そんなことになるとは露知らずのアレックス。しかも治療中ベートーベンの曲を聴かされていたものだからそれにも吐き気頭痛と反応する。


釈放され家に着くと、見知らぬ下宿人がいて息子のアレックスよりも息子らしく両親と仲が良い。今までアレックスが使っていた部屋は下宿人のものとなり、居心地悪く居場所がなくなった彼は家を出るのだが何処へも行くところはない。

当てもなく橋の上で佇んでいると以前暴行を加えたホームレスと偶然居合わせそのホームレス仲間に取り囲まれ復讐される。

警察が来て助かったと思いきやその警官二人は昔の仲間。その仲間も就職の為警察官になっただけで中身はちっとも変わっていない。

アレックスの身柄を捕え連れて行ったのは人里離れた森(っぽい)の中。水の中に頭を突っ込まれ過去の復讐をされる。

ようやっと解放され逃げ込んだ場所はやはり過去に不法侵入し住人に暴力・レイプをした家という因果の家。しかもレイプされた奥さんはそれが元で後々亡くなっていた。

犯行時は仮面をつけていたので当時の犯人と気付かれずにすみ手厚く保護してくれた住人は風呂に入れさせてくれたがそこで呑気に犯行当時歌っていた歌を歌いそれが元で当人だとばれてしまう。そこでまた復讐に合うわけだ。

全ての生きがいを奪われ家にも居られない惨めな彼は更に酷い目にあってしまう。それは自業自得ともいえよう。

しかし因果の住人の復讐が元でまた元の己を取り戻すのであった…



キューブリック代表作の1つ。原作は一体いつ書かれたのか、映画がいつ作られたのかはしらないが 30年位は経っているんではないかと思われる。この映画を見たのは5年程前なのだが主人公のアレックスは現代の未成年犯罪者にも共通する凶暴さを持つ。

あるサイトで見たのだが、上映当時、この映画を見て主人公を真似た馬鹿が多数いたそうだ。そういう者にはアレックスと言う若者を憧れの対象となってしまうのだろう。憧れを抱くだけならまだしも実行するところが現実とフィスションの区別がついてない。しかしそれは現代の若者にも同じような者がいるわけで、結局人間というのは時代が変わっても科学が発達しても変わらないということだ。


アレックスは年齢がはっきりされてなかったのでいくつかはわからないがおそらく高校生くらいだと思う。
家にはまっとうに生きている両親がいてその保護の下に好き勝手やっているわけだ。どういう育ち方してああなったのだろうか。
逮捕され、精神治療を受けて釈放された後の彼はなんとも惨めである。


映画を真似た若者は好き放題していたアレックスしか見ていなかったのか…どう見ても犯罪者の惨めなその後と因果応報、そして主人公が元の悪人へと戻る皮肉を表現しているように思えるのだが。

キューブリックだって暴力奨励で映画を作ったわけではない。原作者もそうだろう。

キューブリックはそれが元でアメリカでの上映を取りやめたそうだ。そうしたら映画を見たいものはわざわざイギリスやフランスへ見にいったそうだ。

しかし、俳優のせいか、時代のせいか、とても未成年に見えない。外人は老けて見えるからなぁ。 これもどうしようもないのだが髪形、服装。やっぱ時代である。あまり格好よく見えないんだよね。もしこの俳優が今のヘアスタイル・服装にしたら結構ハンサムじゃないかなとも思う。

スタイル(体型)なのだが、今の若い日本人は足が長くなったといわれるが、その頃の欧米人も同じ事が言えるかもしれない。
主役のマクドウェルだが、パンツ1丁のシーンの姿は現代の俳優に見られるプロポーションではない(本人には申し訳ないのだが)。さほど鍛えているわけでもなさそうだ。中肉中背といったところだろう。
これもやはり時代というものなのかもしれない。

舞台背景を見るとどこか近未来を表しているような雰囲気がある。車はともかく室内はそんな感じである。しかし音楽プレイヤーはテープを使っていた。


時代時代といってもそれを感じるのはファッションや髪型等であって、ストーリー自体には現代にも通じる。そこが名作所以たるものであろう。



個人的余談なのだが、
これはもう年月という時間が経つ以上誰にも何ともならない、どうしようもない事なのだが…
その映画を見た1・2年後、TVで現在のマクドウェルを見た。

あの若者の姿からいきなりオジーちゃんの姿ですよ。正直ショック受けました。
30代〜50代の中間地点の姿を見ていった上で老人の姿を見るならともかく、いきなり10代後半〜20代前半の姿から80代近くに見えるオジーちゃんですからねぇ…

どーしよーもないけど、いつかは自分も老人だけど、やはりショックでした。
年くわないのは2次元キャラだけだよ。



上映当時はどうだったかは知らないが今なら15R指定されてもおかしくないと思われる。見たことないけど「バトルロワイヤル」も15R指定されていたので。
まず子供の見るものではない。完全大人向け。でも大人でも影響受けて馬鹿なことする可能性はあるので(過去の事実からすると)、理性のある者が見る映画であろう。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送