*小説を読んで*


<キュウゾウ>

 小説版はアニメではわからないキュウゾウの精神面が描かれているのでそれが嬉しい。少しではあるが何を考えているかわからない彼の心の内を見れるというのは貴重である。


 6巻ではキュウゾウ普通に喋ってます。要はこの人、自分以外喋る人が居ないと喋るんですよ。つまりそれは恐らくだけど「仕方なく」ではあると思います。寡黙すぎる人で時に返事すらロクにしないような人間なので話すという行為は面倒臭いとさえ思ってそうな気がします
きっとカンベエと二人で行動してた時でさえも会話というのはほぼないと思われます。カンベエもどちらかと言うと無駄口たたかない方だろうし。


 ヒョーゴとキュゾウの場合はどうだったのか。ヒョーゴはカンベエよりも世間話はしそうな気がします。となるとキュウゾウと二人きりの時ヒョーゴが独り言のようにしゃべっていたのだろうか。最低でも10年以上の付き合いのある二人ならばキュウゾウも気心知れてるだろうし少しはまともに会話していたのだろうか。

 そしてこの人、アニメではカンベエ以外に眼中無しって感じでしたが6巻でカツ達とたまたま合流した時、「行くぞ」と促してます。今まで戦闘以外で前に出ようとしなかった人が。これはリーダーシップを取れる人がいないからその言葉が出たんでしょうね。カツがそれまでの(村を出てからの)パーティーで先導してた感じはあるが、さり気無くプライド高そうなキュウゾウは若造に付き従うのは嫌だろうし。

 虹雅峡までの道中で事の成り行きを説明するわけだけど、どんな風に説明したのか興味津々である。


 7巻では「息一つ乱さぬまま、キュウゾウは精神の異様なまでの昂ぶりに酔っていた。刀を通じて斬撃の陶酔は高まる一方だ。」

これってば自己陶酔ととってもいいですよね?結構ナルな所もあるんだ。




<ヒョーゴ>

 ヒョーゴの、撃たれてなおキュウゾウを見送った後、「やっと眠れる」の文。切ない…。この人もこれから生きようと淡い希望を持ったというのに。やはり侍故戦場で死ぬのを本望としてたのでしょうか。 もし、二人とも生き残ってたら、それでも二人は袂を別ってたのだろうか。


 キュウゾウがヒョーゴを斬る事により二人の仲は決裂しそれでもなお以前と変わった形になろうと絆があり時と共に修復されつつもやはり元の鞘に戻ることはない絆。だけど決して断ち切られる事はないであろう絆。縁あらば再び見まえることもあろうに。この切なさがたまらなくツボ。


 しかしヒョーゴは凄まじい精神の持ち主である。腹を刀で突き抜かれてもキュウゾウと戦い五分の勝ちへと持ち込む。そして非常に精神状態に左右される人である。カツをなめきって油断してやられちゃうんだから。キュウゾウに勝ってカツに敗れるなんて書いたらカツが非常に強いみたいに聞こえてしまう。


 キュウゾウに斬られて蘇らされた事によりヒョーゴは生きる縁を失うわけですが、それでも生きる為の縁としたのがキュウゾウというたった1つの縁。

 キュウゾウがカンベエに生を求めたようにヒョーゴもまた同じくキュウゾウに生を求めたわけです。これまでキュウゾウがヒョーゴに頼っていた面が見られるわけですが、逆に形は違えどヒョーゴがキュウゾウを頼る形にもなるわけです。

 ウキョウの過去を知った以上テッサイ同様ウキョウから離れる事が出来ないのだがそこに生きる糧が見られない。自ら「情報を話せば後は用済み」と言ってるわけだし。心理はカンベエ達につく前のキュウゾウと同じ状況とも言える。
 なんという運命の悪戯。因縁より生まれし業(カルマ)





そしてこの物語事態因果応報のようなものがあります。

 天主が野伏せりを使い農民を虐げる事により神無村は立ち上がり、侍を探しカンベエ達と出会いカンベエがキュウゾウと出会う事によりヒョーゴは斬られ肉体の生命は甦ったものの精神の生は失い、ウキョウはそれを利用しのし上がり、天主はウキョウにより殺される。


 ウキョウが天主も最初から自分の政策のようにすれば良かったのに、と言ってます。その様にしたら天主は殺される事はなかったのだろうか…?野伏せりを使い農民から米や女を強奪しなければウキョウという存在は生まれて死ぬまで農民のままだったのだろうか?アニメでいうならば確実に複製としてのウキョウは生まれていないはず。

 そして天主の存在の大元の原因となったのが大戦。侍達なわけである。

 キュゾウがカンベエと出会わなければヒョーゴは斬られる事もなく隠居するまで用心棒やってたはずだし、カンベエとキララが出会わなければキュウゾウはそのまま一生生きてない状態で用心棒を続け、天主が野伏せりを使わなければキララ達が虹雅峡に行く事もなく、侍が大戦をしなければ天主が侍崩れを野伏せりとして使うという復讐も無かったはず。


 物語は当然侍を中心に廻っているわけだけど、その中にある全ての運命も一貫して侍を中心として廻っているわけである。








こちらはまだ途中作成文です。








<カンベエ>

 オッサマはブラックホールである。侍から農民まで周りの星々をその昏い深淵と引きずり込んでしまうのだから。商人はそれには引きずられる事が無いように見えるのだがウキョウも他と同じ様に実はその引力に引きずられていたりして。自分の身の保全の為にカンベエを潰そうとはするわけだがそのカンベエとやりあうのを楽しんでいる節があるし。知恵比べが好きなんでしょうな。そうなるとオッサマの術中に嵌るかは別として、ペースは巻き込まれてるとも言えなくもないか…?




<ヘイハチ>

「これが終ったら……、ハラいっぱい米を食うんだ……」


 この言葉、小説読んで思ったのが弾丸を背に当たり悲鳴を上げることさえ出来ない倒れそうになる程の痛み、恐らく気を失いそうな位の激痛を振り切る為、力を振り絞り自分を鼓舞する為、もう自分は助からないと予感は出来ているだろうけど米は8の力の源、後一つの仕掛けをする為最後の力を振り絞る為に出た言葉なんだと思う。

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